この記事の要点
賞への応募は当該回の募集要項、寄贈は受け入れ先の条件を確かめてから進めます。家族以外にも読まれることを前提に、実名や写真、引用の扱いを見直し、送る本と記録を整えます。
賞への応募と寄贈は本を届ける目的で選ぶ
賞への応募は、作品を選考の場へ届け、評価を受ける機会になります。寄贈は、施設や図書館へ本を提供し、その場の読者に読んでもらうための方法です。どちらも、著者が本を送れば希望どおりの結果になるとは限りません。
受賞を目標にする場合でも、応募時期に間に合わせるために内容確認を省かないことが大切です。寄贈では、資料としてどのような内容を残したいかを考えます。例:故郷での暮らしや仕事の記録なら、その地域の資料を扱う図書館へ相談する案があります。
古い案内には終了した賞や変更された連絡先もあります。以下は2026年9月16日確認の情報です。申し込みや発送の前には、当該回の募集要項と受け入れ先の最新の案内を確認してください。
日本自費出版文化賞
日本自費出版文化賞は、一般社団法人日本グラフィックサービス工業会が主催し、NPO法人日本自費出版ネットワークが主管しています。自分史、一族史、追悼集、遺稿集などは「個人誌部門」の対象です。自分の本がどの部門に当たるか迷う場合は、内容を伝えて主催側へ確かめます。
応募資格は、制作費の全部または一部を著者が負担した本で、日本国内で最近10年以内に出版され、主として日本語で書かれた一般書であることです。製本された著書が対象となります。原稿の公募と同じではないので、本の完成時期と応募できる期間を合わせて考えます。
| 確認する項目 | 確認済みの案内 |
|---|---|
| 募集 | 毎年募集。第29回は2025年12月〜2026年3月 |
| 応募料 | 1点4,000円 |
| 大賞 | 賞金20万円 |
| 部門賞 | 賞金5万円 |
| 色川大吉賞 | 賞金10万円 |
| 入選 | 各部門約10点 |
これは第29回の案内に基づく整理です。確認日時点でこの回の募集期間は終了しており、現在応募できる期間として示しているものではありません。次の募集を検討する場合は、日本自費出版文化賞の公式案内で回数、締め切り、提出方法を確認します。
応募の準備では、本の内容を短く説明できるようにしておきます。家族を知る人だけに通じる前置きではなく、どの時代の何を記録した本かを整理します。受賞や入選を見込んで部数を増やさず、自分の目的に合う本を完成させることを優先してください。
日本自分史センター
日本自分史センターは、公益財団法人かすがい市民文化財団が運営しています。全国から寄贈された自分史を集めており、蔵書は約8,000タイトルと案内されています。自分史を読んでみたい人にも、本の形や内容を考える参考になる施設です。
| 項目 | 利用案内 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県春日井市鳥居松町5-44、文化フォーラム春日井2階 |
| 開館時間 | 9:00〜19:00 |
| 休館日 | 月曜。祝休日の場合は翌日。年末年始も休館 |
| 貸出 | 一人2冊、15日間 |
利用案内の確認日は2026年9月16日です。日本自分史センターの公式案内には施設と貸出の情報がありますが、寄贈の受付条件の詳細は記載されていません。寄贈を希望する場合は財団に確認し、受け入れの可否や送付方法を確かめてから送ります。
相談には、書名、著者、発行時期、内容の概要を用意します。家族だけに配った本の場合は、その事情も伝えます。蔵書になることと、希望する場所に展示されることは分けて考え、閲覧や保管の扱いは施設の案内に従ってください。
終了した賞
北九州市自分史文学賞は、2013年度・第24回で終了しました。後継は林芙美子文学賞です。現在も応募できる自分史の賞として、古い募集案内や応募先を使わないようにしてください。
この賞は、かつて自分史を専門に扱う文学賞があった歴史として紹介できます。一方、後継の賞は、その回の募集対象や応募条件を別に確かめる必要があります。「自分史の賞の後継だから同じ条件で応募できる」とは考えず、現在の公式案内を読みます。
昔の受賞歴を自分の本の紹介に記す場合も、当時の賞名と受賞内容を正確に確認します。応募したこと、選考に残ったこと、受賞したことは区別します。紹介文を読む人が、現在募集中の制度と取り違えない書き方にします。
地元の図書館への寄贈は発送前に相談する
地元の図書館が自分史を受け入れるかどうかは、館ごとに違います。地域の暮らしや産業、学校などの記録でも、必ず蔵書になるとは限りません。書名、著者、発行時期、地域との関わりを伝えて窓口へ相談します。
本を送る前に、受け入れ条件、必要な冊数、持参か郵送かを確かめます。寄贈後の返却や取り扱いについて希望がある場合も、先に確認します。相手が判断できるよう、目次や短い内容紹介を用意すると説明しやすくなります。
図書館に合う部分があるからといって、地域の話を無理に増やす必要はありません。自分が確かに経験したことと、資料から調べたことを分けて示します。読者が後から確かめられるよう、年表や引用に出典が付いているかを見直します。
応募・寄贈前に公開範囲と送付記録を確かめる
応募や寄贈では、家族以外の人に読まれる機会が広がります。身内に渡すつもりで載せた実名、病気の話、家族写真などを改めて点検します。本人への確認は実名とプライバシー、文章や写真の利用は引用と権利で整理してください。
発送するときは、どの版をどこへ送ったかを控えます。依頼された資料や申込書が本と揃っているか、送り先が最新かを確かめます。返却の可否や連絡方法も、募集要項や受け入れ先の説明で確認します。
受賞や蔵書登録の有無だけで、自分史を残した意味が決まるわけではありません。届けたい読者と本の内容に合う方法を選びます。購入を希望する人への窓口も整えたい場合は、書店やAmazonでの販売を別の選択肢として検討できます。
この記事に関する質問
寄贈の申し出を断られたら、内容を直して再度送るべきですか?
受け入れられない理由は、資料の収集方針や保管場所など、本の内容以外にもあります。まず先方の説明を確かめ、求められていない本を再送しないようにします。家族での保管や別の施設への相談など、目的に合う方法を検討してください。
出典・参考
- 日本自費出版文化賞・公式案内(2026年9月16日確認。第29回の募集要項)
- かすがい市民文化財団「日本自分史センターご利用案内」(2026年9月16日確認)
- 北九州市立文学館・北九州市の文学賞案内(2026年9月16日確認の資料に基づく。北九州市自分史文学賞の終了と後継)