この記事の要点
部数は配る相手を具体的に書き出し、保存用と予備を加えて決めます。渡す時期と方法まで先に考え、受け取る人の都合を確かめると、作る数と発送の準備を一緒に整えられます。
配る相手は名前と渡し方まで一覧にする
部数は「親戚が多いから」と大まかに決めるより、届けたい相手を書き出すと見通せます。家族、親族、友人、恩師、元同僚、お世話になった施設などを順に思い浮かべます。世帯で共有してもらうか、別々に渡したいかも考えます。
親族の名前を並べた後、家族にも見てもらうと、同じ相手を重ねて数えることを防げます。疎遠になった人には、突然送る前に近況と受け取りの意向を聞く方法があります。次は配布表の記入例です。
| 相手 | 渡す単位 | 渡し方・時期 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 別居する子の家族 | 世帯で共有 | 誕生日の集まりで手渡し | 持ち帰る荷物になるか |
| 昔の友人 | 本人へ | 完成後に郵送 | 現在の住所と受け取りの意向 |
| 恩師 | 本人へ | 手紙を添えて郵送 | 宛名の表記 |
| お世話になった施設 | 施設の希望に合わせる | 担当者に相談して渡す | 受け取りの可否と窓口 |
配布表には、準備中、発送済み、手渡し済みなどの記録欄も設けます。住所を集めた一覧は、本に載せる原稿とは分けて保管します。配布を手伝う家族と共有する際も、必要な情報だけを渡します。
保存用と予備は用途を決めて足す
著者自身の保存用は、配布予定の本と分けて確保します。家族が長く保管する分や、あとから読みたいと言われたときの予備も考えます。ただし、使い道のない予備を積み上げると、箱の保管場所が必要になります。
例:普段読む本と、書き込みをせずに残す保存用を分ける考え方があります。予備は「次の親族の集まりで渡す」「まだ連絡の取れない友人用」のように用途をメモします。将来の販売を漠然と期待して部数を増やすより、届け先の見通しを優先します。
本と一緒に、最終原稿、表紙、写真の元データも保管します。本をすべて配ってしまってから追加を考える場合にも、制作時の情報が残っていると相談しやすくなります。家族の誰が保管するかも決めておくと安心です。
最少部数と増刷を知って必要な量を選ぶ
運営会社の制作条件は「最少16ページ・10部から(10部単位)」です。配布表の合計に保存用と予備を足し、注文できる単位に合わせて部数を検討します。最少部数に合わせるためだけに、渡す相手を無理に増やす必要はありません。
一般に、部数を倍にしても費用が倍になるとは限りません。版やデータの準備など、部数によらず必要な作業があるためです。ただし、総額や保管の負担は増え得るので、単価の安さだけで決めず、出版費用の条件を揃えて比較します。
運営会社の増刷案内は「増刷は印刷費のみ(1割引・最大10,000円)」です。増刷は、同じ本を追加で印刷することを指します。本文や写真を直す場合はその扱いを別に確認し、必要な部数、納期、データの保管状況を伝えます。
法事や記念日は手渡す日と到着日を分けて考える
法事、誕生日、還暦、退職、同窓会は、本を渡すきっかけになります。集まる人に直接説明できるため、自分史を作った理由も伝えやすくなります。一方、行事の準備が重なるので、本の配布を誰が担当するかを先に決めます。
一周忌などで渡す場合は、参列しない親族へも同時に届けたいかを考えます。完成日と、著者の手元に届く日、郵送先に着く日は同じではありません。箱の開封、状態の確認、手紙の封入にも時間を取り、制作の流れから逆算します。
遠方から来る人には、持ち帰りやすい袋を用意するか、後日送る方法を相談します。会の進行中に感想を求めるより、落ち着いて読めるときに渡す方が負担を減らせます。完成が行事に間に合わない場合も、無理な校了より、後日贈る方法を検討します。
献本には短い手紙を添え、返礼を求めない
献本とは、著者などが本を贈ることです。堅い作法を整えるより、なぜ相手に届けたいのかを短く伝えると気持ちが通じます。相手に関する思い出が載っているなら、該当する章を手紙に添える方法もあります。
例:「お世話になった頃の思い出を本にまとめました。お時間のある折にお目通しいただけましたら幸いです。どうぞお返しなどのお気遣いはなさらないでください」。これは手紙の例であり、相手との関係に合う普段の言葉に直して構いません。署名や献辞を本へ書き込む前に、宛名と名前の漢字を確かめます。
郵送するときは、角が傷まないよう包み、水濡れを防ぐ用意をします。手紙を入れる場合は、利用する配送方法の条件を確かめます。施設へ贈るときは、担当者個人への贈り物なのか、施設で共有してもらう本なのかも明確にしてください。
読んでもらう入口を作り、感想は急がせない
長い自分史でも、短いまえがきがあれば、読む人は本の目的をつかめます。「家族に昔の暮らしを伝えたい」など、なぜ残したかを書きます。写真と説明、分かりやすい目次も、関心のある所から読む入口になります。
本を渡したからといって、相手がすぐに通読できるとは限りません。感想や返事を急かさず、思い出したことがあれば教えてほしい、と伝える程度にします。読者から年月日や名前の訂正が届いたら、元の原稿とは別に控え、将来の増刷時に検討します。
購入できるようにしたい場合は書店やAmazonでの販売、施設や図書館へ残すことを考える場合は賞と寄贈先の記事へ進めます。個人への贈り物と、広く読まれる場所への配布では、本文の公開範囲も改めて考えてください。
この記事に関する質問
受け取った人から住所録を共有してほしいと言われたらどうしますか?
本の発送のために預かった住所は、別の目的で使う前に本人へ確認します。親族同士であっても、著者の判断だけで一覧を渡さず、連絡を取りたい相手へ希望を伝える方法を考えてください。配布表そのものは公開しません。
出典・参考
- お手軽出版ドットコム「よくあるご質問」(2026年9月16日確認。最少部数と増刷)
- お手軽出版ドットコム(2026年9月16日確認。制作条件)