開いた写真アルバムと、手書きの年表を書き込んだノート

この記事の要点

故人自身の文章を集める遺稿集と、周囲の人の文章を集める追悼集では編集の役割が違います。原文の扱いを決めて遺族と確認し、法要の期日と原稿の状態を合わせて費用・日程を考えます。

遺稿集と追悼集は誰の言葉を中心にするかが違います

遺稿集は、故人が書き残した文章、詩、絵、写真などを選んでまとめる本です。追悼集は、故人を偲ぶ家族、友人、同僚などの文章を集める本です。本人の言葉を残したいか、周囲の記憶から人柄を伝えたいかで、中心になる材料が変わります。

遺稿と追悼文を同じ本へ収めることもできます。その場合は、故人自身の文章、寄稿者の文章、編者の説明が見分けられる構成にします。誰が話しているのかを、見出しや名前で明らかにすることが大切です。

残されたものをすべて収める必要はありません。家族で読む本なのか、知人にも配るのかを決め、故人が大切にしたことを伝える材料から選びます。編者だけで判断しにくいものは、採否を保留したまま一覧に残します。

遺稿を一覧にしてから選び、並べ方を決めます

まず、日記、手記、作品、手紙などを集め、何がどこにあるかを一覧にします。題名がない文章には、冒頭の言葉や書いた時期を仮の目印に使います。元の順番を確かめられるよう、ノートや封筒のまとまりを崩す前に記録します。

一覧の項目記入する内容
資料の目印ノートの表紙、題名、書き出しの言葉
形と所在手書き、ファイル、葉書、保管者
作成年月記載どおりの年月、不明なら未確認
採否採用、保留、不採用とその理由
残る作業入力、判読、掲載の確認、写真の準備

人生の変化を伝えたい場合は年代順、詩や随想、絵などを見比べたい場合はテーマ別に並べます。テーマ別の中を年代順にする方法もあります。同じ文章の草稿と清書があるときは、どちらを採るかと理由を記録します。

追悼文を頼む場合は、届ける相手、書いてほしい場面、締切、文章の確認方法を一緒に伝えます。抽象的な賛辞だけでなく、本人と過ごした具体的な思い出をお願いすると人物像が伝わります。届いた原稿を短くする場合も、寄稿者に修正後の文を確かめてもらいます。

手書きと古いファイルは入力前に読める状態を確かめます

日記やノートは、文字を入力する作業と、内容を編集する作業を分けて考えます。葉書は表裏を対応させ、消印と本文に書かれた日付を区別します。読めない文字は、文脈からもっともらしい言葉を入れず、未判読の印を残します。

古いワープロのファイルは、複製を作ってから開けるか確認します。文字化けや抜けがある場合は、紙に印刷した控えと照合します。ファイルが残っているだけで、そのまま印刷原稿に使えるとは限りません。

運営会社には「手書きの原稿でも受け付ける(原稿用紙・レポート用紙など)」という案内があります。手元にある紙の種類や状態を伝え、入力を依頼する範囲と、誰が原本に照らして確認するかを決めます。入力する人に読めても、故人特有の呼び名や地名は家族の確認が必要です。

故人の文章の直し方は編者のまえがきで示します

明らかな誤字を直すことと、語り口や意味を変えることは別の判断です。古い言葉を現在の表現に置き換えるだけでも、文章の印象が変わる場合があります。原本を残し、どこを直したかが後から分かるようにします。

編集方針の例:「明らかな誤字を整え、当時の言葉遣いはできる限り残しました。補足が必要な箇所には編者の注を添えています。」実際に採った方針だけをまえがきに書きます。読みやすくするための補足は、故人の言葉に混ぜず区別します。

まえがきの後に、年譜と写真をどう置くかを決めます。年譜は生涯の主な出来事を年代順に示す一覧です。読者が作品の背景を知るためなら巻頭へ、本文を読み終えて振り返るためなら巻末へ置けます。

写真には時期、場所、写っている人の説明を付けます。故人が写った写真と、故人自身が撮影した作品は、役割を分けて扱います。本文との対応や掲載する大きさは写真と資料の載せ方で確認できます。

法要に合わせるなら完成までの工程を逆算します

一周忌や三回忌に配る予定なら、まず本が手元に必要な日を決めます。そこから印刷・製本、原稿の確認、入力と編集、寄稿の締切、資料集めへ遡ります。特に親族や寄稿者の確認は、連絡を待つ時間も予定に入れます。

運営会社の完成の目安は「著者校正の終了後、約30日で完成」です。これは資料を集め始めてからの全期間ではなく、著者校正を終えてからの案内です。法要当日を完成予定日にせず、受け取りと配布の準備も含めて相談します。

原稿が増えたり、判読に時間がかかったりした場合は、収録範囲と予定を見直します。急ぐために確認を省くより、今回は選集にして残りを保管する方法も考えられます。工程の詳しい説明は流れと期間へ。

費用は判型・部数・原稿の状態を揃えて比べます

次はお手軽出版ドットコム「遺稿集を作りませんか?」の料金例です。いずれもB5判の例であり、自分史ページの料金例とは条件が異なります。金額だけでなく、原稿の形、写真や装丁、校正刷りを含む前提を確認してください。

金額仕様と作業の前提
格安で約19万円ソフトカバー B5判、本文モノクロ 100ページ、流通なし 100部、完全データ原稿、カバーなし・表紙1色刷り、既製型の装丁、校正刷り1回
よくある形で約50万円ソフトカバー B5判、本文モノクロ 162ページ、流通なし 200部、テキストデータ原稿・簡単なレイアウト、カラー口絵2ページ、カバーなし・表紙箔押し、校正刷り2回
化粧箱付き豪華本約114万円ハードカバー B5判、本文モノクロ 162ページ、流通なし 200部、手書き原稿・簡単なレイアウト、カラー口絵2ページ・スキャニング4点、表紙布+箔押し・化粧箱、校正刷り2回

出典:お手軽出版ドットコム「遺稿集を作りませんか?」(2026年9月16日確認)。料金は上記の条件での例です。差額を入力代や化粧箱代だけと読み取ることはできないため、自分の原稿の条件は費用の考え方に沿って整理します。

遺族の了解は掲載する原稿と配布先を示して確かめます

故人が残したからといって、すべてを人に読まれる前提で書いたとは限りません。私的な日記や手紙は、故人の意向が分かる記録がないかも探します。遺族には完成に近い原稿を見せ、配る範囲を伝えて了解を得ます。

遺族の了解に加え、手紙の差出人や、文章・写真に登場する人について確認が必要になる場合もあります。迷う内容は掲載を保留し、必要な確認を終えてから収録します。判断の視点は実名とプライバシーを参照してください。

この記事に関する質問

未完成の作品を収めたい場合、家族が続きを書いてよいですか?

故人の未完の作品として、そのまま収める方法があります。家族が補足や続きを書く場合は、故人の原文と明確に分け、執筆者と加えた理由を示します。読者に完成稿だと誤解されない構成にし、掲載方針を遺族で確かめます。

出典・参考

  • お手軽出版ドットコム「遺稿集を作りませんか?」(2026年9月16日確認):遺稿集の料金例と各例の仕様。
  • お手軽出版ドットコム「出版の流れ」(2026年9月16日確認):手書き原稿の受付、著者校正終了後の完成目安。

手書きの原稿でも、途中の原稿でも、相談できます。

運営会社(お手軽出版ドットコム)は手書きの原稿でも受け付ける(原稿用紙・レポート用紙など)。文章を書き慣れていない人向けに、編集サービスや執筆代行のオプションがある。どこまで自分で書き、どこから頼むかは相談しながら決められます。